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越後・三国川支流五十沢流域・金城山
〜スラブにゴルジュ、忘れられた岩壁が語るマイナーピークのおもしろさ〜
 
五十沢本流上部ゴルジュ帯をゆく
 
 時は今から約30年前の1973年夏、ゼフィルス山の会の小泉・上原両氏は奥利根側の三ツ石沢から上越国境稜線を越え、五十沢本流の下降を企てたことで、五十沢流域の本格的な開拓は始まった。安易な気持ちで入渓したものの、想像を絶する大ゴルジュに厳しい高巻き・数多くの懸垂下降を強いられ、前人未到のゴルジュが眠っていることを知る。その後、大阪わらじの会、ゼフィルス山の会、東大ワンゲルOBなどによる集中踏査によって全貌が解明されたが、それから四半世紀経ち、渓は再び静けさを取り戻した。しかし、人が入らなくなったとはいえ、その評価はいつになっても変わらない。青空さえも見えないトイ状ゴルジュの中での厳しいWater Climbing。高巻きを許さない高い側壁は、いまなお日本を代表するゴルジュであることを実感させられる。
 時を前後して、上越各地の岩場が開拓された。巻機山・天狗岩、越後駒・金山沢奥壁・・・・・・開拓の波は五十沢の側壁や金城山にも及ぶ。高棚沢ツバクロ岩、五十沢の高クラ岩もその1つだ。里山に近くで人知れず静かに眠る未踏の大岩壁はクライマーをワクワクさせただろう。時代の経過とともに、静かな眠りについたものがほとんどだが、今、再び見直されはじめている。  トイ状の急峻な谷を両わきに抱えた急な藪尾根は、冬には、越後の豪雪によって、立派な雪稜ルートに変身する。大雪庇・キノコ雪に注意しながらの金城山北面・西面の雪稜登攀は、学校の鐘の音や犬の鳴き声を聞くことがなければ、それがただの裏山であるということを忘れさせるだけの内容を持っている。正統派の越後の雪稜であるが、これは、なんとも不思議な感覚だ。
 
■山域概念
  五十沢の流域は、巻機山の北東面に位置し、三ツ石山〜永松山〜牛ヶ岳〜割引岳〜金城山に至る広大な取水面積で構成される。ほとんどの支沢が、スラブに磨かれた側壁を持ち、下部の五十沢出合はゴルジュ帯を抱える。
 金城山は東面が五十沢流域、西面が登川流域になるが、五十沢側を大窪沢・割石沢、西面は高棚沢と険谷を抱える。積雪期も北尾根・割石沢右稜・割石沢左稜と興味深い雪稜を抱えている。 以下、この山域を、
  1.五十沢流域
 2.金城山
の2つにわけて解説してゆきたい。
 なおアプローチは六日町駅が起点となる。五十沢流域の場合は、車で20分強の五十沢キャンプ場まで行き、キャンプ場の駐車場から歩くことになる。金城山は西面と北面に分けられる。縦走路は北面につけられ、起点となる集落の名前によって、大崎道とか長崎道とかついている。タクシーで15分ほどである。高棚沢は西面に位置し、出発点まではタクシーで10分ほど。
 
■全体の概念をつかむ資料

 五十沢はゼフィルス山の会の独断場と言える。下記の2つはすべて小泉・武藤氏の、同じ記録が元ネタだが、特に「渓谷」が詳しい。

 ・登山体系 第2巻 南会津・越後の山  p194〜 小泉共司・武藤仁一
 ・渓谷7号(京都山の会出版局)

 また、高棚沢ツバクロ岩は、岳人592号クロニクルの故・小松猛氏(あらかわ山の会)の紹介が詳しく書かれているので、参考にされたい(あらかわ山の会HPにも詳細がでている)。

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