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a)刃物ヶ崎山東南稜
この山で最もメジャーな尾根が東南稜である。冬〜春季、また夏の藪ルートとして、この山にしては記録は多い。ピストン、柄沢山方面に縦走、コツナギ方面に下降して奥利根横断、東壁登攀後の下降路と様々なルートの一部に組み込まれている。核心部は山頂までの約100m。もろい岩こぶにヤブが生え、雪の付き方、雪質によって難易度は変化すると思う。刃物沢側は切れているので、努めて矢木沢側を歩くが、春先にクレバスが開いているときは要注意。私は2回ほど落ちました。落ちないにしろ、首までずっぽり埋まります。
◎資料
01年3月 榎並(日本山岳会青年部)、岩下(日本大学山岳部OB)、三好(秀峰登高会)
b)刃物ヶ崎山東壁 第二尾根
ピークの東約30mに突き上げる顕著な尾根である。東壁の中ではもっとも長く、標高差もある。下部1/5は針葉樹林帯。下部の雪稜は緩傾斜であるが、中間部をすぎる頃から徐々に傾斜が強まる。核心部は終了点下約100mの間で、傾斜は60度前後。尾根も細い。最後の岩峰は簡単であるが、ボロボロのルンゼを登る。
◎資料
98年4月 菅井・石川・岩下 (浦和浪漫山岳会) 岳人613号
c)刃物ヶ崎山東壁 第三尾根
二尾根の東側にある尾根で、末端は二尾根の末端と近接しているが、最終的にはピークから100mほど下に突き上げる。なお尾根の末端は平坦になっており、両側の沢からも高いため、雪崩にも耐えられるいい幕場になると思う。ブナの木に熊撃ちの切り付けをいくつか見かけた。下部1/3は針葉樹林帯。ルートの状況は2尾根に似るが、中間部の尾根が若干屈折する所は注意が必要。もしかすると雪崩れるかも。特に細いような場所はなかったが、雪がべったり付いている時期はどうだろうか?稜線直下のリッジが気持ち良し。刃物ヶ崎山のパイオニア『東電山の会』の1968年正月の記録による『中央稜』とは彼等の概念図からすると、この尾根と思われる。
◎資料
99年3月 岩下・石川・香内 (浦和浪漫山岳会)
d)その他の尾根
そのほか登攀対象となる尾根が幾つか存在する。もちろん、よりマニアック・マイナーになるので、誰でも食指が動くかどうかはわかりませんが……。
●第四尾根
第四尾根と共に東壁の中心である三の沢を囲む。取付は前記二本の尾根よりも下流となる。下部1/3は樹林。中〜上部は雪稜。比較的ヤブは薄そうである。あまり難しいようには見えないが、日本アルピニストクラブが下降に使用した際、中間部で20mの懸垂を行っている。尾根の形状からして東電山の会が登った中央稜とは四尾根の可能性もある。
●第五尾根
取付は1尾根の末端付近にあるため、少々アプローチはやっかいかも。登攀後もピークまで距離が長い。ブッシュが多く、傾斜もあまりないため、そんなに難しいようには見えない。側壁のスラブは比較的すっきりしているようだ。
●中央稜
三ノ沢最奥に位置し、二等辺三角形の尾根。標高差は100mほどか? 傾斜は強く、ヤブも薄いため雪がべったり付いたら手強いだろう。アプローチも怖い。なお東電山の会が登った中央稜はこれではない。
●正面尾根
中央稜の右。三ノ沢右俣と左俣を分ける。末端が緩やかにカーブし、恐竜の尻尾のようである。標高差は150mほどか? 中間〜上部の傾斜は60度ほどある。これもアプローチが怖い。
●第一尾根
家ノ串〜刃物ヶ崎間最低コルの手前から刃物沢出合まで延びる尾根。ただのヤブ尾根であえて登るほどの価値はない。登るとしてもアプローチが大変である。この尾根は東壁の各尾根へのアプローチに使用されてこそ、その存在に価値が出る。天候不良の場合、下降点がわかりづらいが、最低コルの30m手前から降りれば間違いない(と思う……)。
●1.5尾根(仮称)
一尾根と二尾根の間にあるので、勝手にそう呼んでいる。東南稜の中間に突き上げる短い尾根。他の尾根に比べ雪がしっかり付いて、傾斜もそこそこあり、二尾根上から眺めると結構面白そうであるが、わざわざ危険を冒してまでも……と思わせる。
その他、1.75尾根、3.8尾根、3.9尾根(もちろんすべて仮称)なんてのもあるが、ここまでくると重箱の隅に他ならない。
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