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◇書籍

○「日本登山体系」(白水社)
 日本全国のバリエーションルートが紹介されている。お世話になっている人も多いのではないだろうか?ただ製作から20年。モチベーションを高めるのにはすばらしい本だが、ちょっと情報が古すぎる。

「渓谷」(京都山の会出版局)
 全国の渓谷の徹底網羅を目標として自費出版された渓谷記録集。1~10号まで発行されたが全体の35%を網羅したところで、挫折して中断してしまった。しかし、その価値は、数々のガイド本が出ている現在においても少しも色褪せていない。

「日本百名谷」(白山書房)
 たしかにすばらしい谷も多いが、日本を代表する百の名渓を出している訳ではないと思う。数々の渓谷登攀がなされ、すばらしい谷が紹介されてきた20年の間に、渓谷を取り巻く環境はずいぶんと変わったはずである。もう一度編集し直してはどうだろうか?

「日本の渓谷96,97,98ム99(白山書房)」
 惜しい事にすっかり息切れしてしまったようで、2000年以降は発行されていない。リアルタイムなすばらしい溯行記録を求めているのは、私だけでないはず。

「関東周辺の沢」、「東京周辺の沢」、「関西周辺の谷」(白山書房)
 東京周辺の沢は新版が発行されたが、関東周辺の沢、関西周辺の谷は続編が発行されていない。

「○○の谷シリーズ」(山と渓谷社)
 これまでに「丹沢」・「奥多摩」・「奥秩父/両神」・「上信越」が出ている。関東周辺の沢屋のバイブルとなりつつある。

「飯豊・朝日連峰の沢」(白山書房)
 この夏発売されたガイド本。岩遊の豊野氏がカラー写真をふんだんに使って紹介している。

「大いなる山・大いなる谷」(東京新聞出版局)
 志水哲也氏が単独で行った黒部の地域研究を紹介。黒部を狙うものは絶対に欲しい一冊。続編の「黒部へ-黒部八千八谷に魅せられて-」もセットで目を通したい。

「九州の沢と源流」(葦書房)
 全国の名渓を踏破した八代ドッペルの吉川満氏が、九州の渓谷150を紹介。

◇社会人山岳会会報etc.

社会人山岳会会報
  社会人山岳会の会報は近年のゴルジュ突破事情を知る上で、非常に重要な要素である。中でも、大阪わらじの会会報「溯行」、わらじの仲間会報「年報わらじ」の2つは国内でもレベルの高い記録が揃っている。また、石川労山遊谷倶楽部の「さわわらし」、名古屋ACCの「ALPINE」、さがみ山友会の「源流遡行」などの沢登り主体の山岳会会報も時々すばらしい記録が出ている事があるので確認が必要だ。個人が作るものでは、金沢の青島靖氏が作る「野良犬通信」がすばらしい。芸術の域まで到達している詳細な溯行図は見ているだけで、その谷への憧れが増幅していく。氏がまだ知られていない数々のゴルジュ突破の谷を落としているのは、地道な資料収集をはじめとする研究の賜物と言える。

○山渓・岳人記録速報
 時々、すばらしい記録が発表される事があるので、見落とさない事が重要だ。

◇参考記事・その他

○「ビッグウォールやろうぜ」(岩雪157〜161)
 あまりにも有名な「岩と雪」の連載。当時のアルパインクライマーなら間違いなく目を通している事だろう。ここで紹介されたテクニックはゴルジュ突破にも使えるものが多い。ゴルジュ突破にはエイドテクニックのマスターが欠かせない。これを読めば頭の中が整理されるはずだ。原本はClimbing Big Wallというタイトルで売っている(英文)。

○「渓谷登攀への変換〜ベテランへのすすめ」(岳人343)
 岡部一彦氏による、沢登りは岩登りよりも低レベルなものという当時の主流の考えに異を唱えた投稿。要は、沢登りという概念では扱えない様な渓谷登攀がこれから増えてくるという事を言おうとしていた。のだが、当時のほとんどの人が渓谷登攀と言うもの具体的に剱沢・池ノ谷ゴルジュ・称名廊下を挙げるなど、今なお手強すぎる課題を出す辺りは先見の明があったと思うが、残念な事に当時のほとんどの人が渓谷登攀というものをイメージできなかった。

○「渓谷登攀特集」(岳人363)
 特集の中では「渓谷登攀ABC」という物々しいタイトルで、ゴルジュ突破、大滝登攀の魅力を語っている。ボルトやハーケンをばんばん打つ時代のものであり、カムやナッツをつかいつつ、いかにフリーで、かつローインパクトで登るかという現代のスタイルとは明らかに違っているが、30年も前に、このようなスタイルで数々の難渓を落としていった大阪わらじの会の活動は、現在でも評価出来るものも多い。

○「やっぱり渓(たに)が好き」(山渓795)
 岩崎慶訓氏(大阪わらじの会)と治田敬人氏(山登魂)の対談。沢登りはハートが大事-そう思わせてくれる沢屋すべてに読んで欲しい文章。

○「ちゃん太の山遊記
 ゴルジュ突破の第一人者でもある大阪わらじの会の岩崎慶訓氏のHP。過去に行ったゴルジュ突破から大滝登攀までをエッセイ風に紹介。このような書き方をされているのは、あんまり詳しすぎると、遊ぶ楽しみを無くしてしまう…という、氏ならではの考えなのだろう。

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