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長岡正敏の  あの人に会いたい(第1回)


「夏はヨセミテ、冬はエクストリームスキー」佛教大学のエース、塚崎哲平君

  

 4月18日の夕刻も押し迫る頃。私は一人、京都は仏教大学前のバス停に降り立った。山岳部部室のある六渓館を目指し、帰路を急ぐ新生活の興奮醒めやらぬ新入生達と擦れ違いながら、自らの急ぐ気持ちを抑えながら歩く。仏教大学はブラウンのタイル張りの都会的で清潔な建物だ。六渓館はすぐに分かった。どこの大学にもある部室棟。真新しく明るい建物だ。しかし、ひときわ目を引くものがある。およそ15mの人工壁。そう、私は、ここに仏教大学山岳部元主将、塚崎哲平君に会いに来た。

 山岳部室では、新たに入部した新人を対象とした生活技術のレクチャーが行われていた。部室には真新しいカムなどのギア類が並べられ、その活動への意欲を感じさせられる。

 今回、彼、塚崎君に会いたいと思ったのは、彼の節操が無いとも言える奔放な活動に興味を持ったからだ。とかく大学系の団体は伝統やら慣習やらに押しつぶされて個がないがしろになりやすい。そんな中、ビッグ・ウォールをよじり、スキー・ツアーを行い、剱の雪壁にシュプールを描き、テレ・マークに興じる彼の姿は、山で楽しむという原点に立っている。勿論、彼はただ目新しいものに飛びついてばかりの軽輩ではない。地道な活動、クラシカルなクライミング。地に足の着いた活動だ。そんなあの人に会いたい。


-早速だけど、山を始めたきっかけは?

塚:親父が釣り師でスキーヤーだったもので、子供の頃から野外で遊ぶことが多くて。それと、そんな親父の趣味で家には山関係の本もゴロゴロと。

-高校時代とかも山はやっていたの?

塚:いえ、高校時代はバスケやってました。

-それが、なんで大学では山を?

塚:なんだか、球技の連係プレイっていうんですか?チーム・ワークみたいなものが、あっていなくて。山でも当然チーム・ワークは必要なんですが、こっちの方は性にあっているみたいで。

-なんだよ駄目な奴じゃん!でも、部の活動には義理堅いよね。

塚:そうなんですよ。今年の新歓だって、こいつら(後輩を指さして)何にもしないから、僕が一人でクワガタ(注:ザックにスキーをくくりつけてボッカする事)でビラまいたんですよっ!!

-(いや、そんな事したら新入生、逆にひくって・・・)で、それで評判は?

塚:いやぁー、みんなの人気者でしたよ!!手応え感じました。

-今年入った新人も、それで?

塚:イヤ、全く関係ないです。全く別の日に人工壁登っていたら、興味があるっていうんで・・・。

-(コンパで“面白い人”で終わるタイプだな)

・・・ま、ご苦労様。

-スキーではどんなところ滑ったの?

塚:去年のGWに前剣の東面と新室堂乗越から立山川を滑降しました。

-前剣の東面って剱沢からもよく見えるけど、傾斜きつそうだよね。

塚:まあまあ急ですね。でもイイっすよ!

-スキーは合宿にも結構取り入れているの?

塚:たまにですね。一年の時は一人でニセコにツアーに行きました。その他にも富士山、乗鞍岳、野伏ヶ岳なんか。基本は滑り重視でシールはあんまり好きじゃないんです。フリーライディングっぽく滑るのが好きなんです。

-スキーは結構練習してるの?

塚:もちろんゲレンデに行くことも多いっす。ゲレンデ練習しないと山でスキーは出来ませ  ん。北海道旭川出身なんで、スキーは昔からやってました。

-道産子かい!?学校、スキーで通ってたの?

塚:勿論です。実家は農家で隣の家まで5キロ、クマ除けの鈴もってね。・・・って言っ  たら満足していただけますか?

-お父さんが漁師だと嬉しいな。で、スキーでは課題は?

塚:今、テレマークやっているんで、もっと上手くなりたいですね。アルペンではスリーシックスティーとかバックフリップができるようになりたいです。

-すりーしっくすてぃー?

塚:360°ってことです。69じゃないですよ。(一人で馬鹿笑い)斜面じゃ剱のインディアン・クーロアールなんか狙っています。

   

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