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3月24日(晴のち雪)
上野11:53〜糸魚川6:00〜御前山7:00御前山キャンプ場8:00〜駒ケ岳西峰手前12:00
タクシーでうっすらと雪のかぶった道をひたすら駒ケ岳の入山口である御前山に向けて走って行く。昨日久しぶりに雪が降ったそうで運転手さんはチェーンを着けていないことがかなり気がかりなようだ。ちょうど去年の今ごろ後輩の奥山と和田は今回の計画を実行すべくこの場所から入山したが、積雪が多く手前の来海沢までしかタクシーで入れず、しかも取り付きを間違うなどして日数を浪費してしまった。ところが今回は幸か不幸か前回の失敗などもあり雪も少なくすんなりと、しかも迷うことなくアプローチすることが出来た。はじめはくるぶしくらいのラッセルで杉林の中の林道をだらだらと登って行く。やがて左手に海川第一発電所が見えてくるとキャンプ場は指呼の先だ。しかし去年はここまで一日かかっている。川の反対側には千丈ケ岳南西壁が圧倒的な迫力で迫っている。ここから先が今回のちょっとした核心部である。尾根に這い上がりところどころクレバスを持った雪壁を迂回しながら登って行く。昨日の雪もわずかでなだれの心配はなさそうだ。前回は一つ右の顕著な尾根から取り付いたそうだが、今回は素直に夏道から取り付く事にした。この雪壁を越え尾根上に上がりさらに直上していくといつのまにか再びルンゼの中にいて、尾根は左の方から始まっている。取り付くのは壁になっていて大変そうだ。ここで少し休憩して結局そのままルンゼをつめることにした。傾斜はそれ程ないものの荷物が重くてふくろはぎがつりそうになった。ここを過ぎれば後は緩やかな雪面が駒ケ岳西峰山頂まで続いている。が寝不足で体調が悪く、天気も悪くなってきたのでまだお昼だが山頂手前を幕場とした。
3月25日(晴)
幕場6:40〜駒ケ岳西峰7:30〜東峰8:00〜鬼ヶ面山北峰11:00〜南峰12:00〜ローソク岩14:00〜鋸山本峰手前16:30
西峰山頂手前までは緩やかな雪面が続いている。天気もよく山頂からの景色は最高でこれからいく雨飾山や東海谷方面、糸魚川の町も望める。西峰の下りはそのまま下ることができた。西峰と東峰をつなぐ吊り尾根を越え東峰のやや急な雪壁を登ると東峰である。東峰からの下降はやや尾根筋の右側からクライムダウンしていく。最後は鎖場になっていて結構立っているので1P20m程度の懸垂することにした。鬼ヶ面北峰の取り付きは正面からではなく右からの尾根にトラバースした。潅木を頼りにひたすら登る。北峰につくと直ぐ正面に南峰が見える。ここからのクライムダウンもそれ程問題ではない。南峰の取り付き附近が10mくらいやや急それを乗越して尾根上をそのまま進もうとしたが潅木が多く面倒そうだったので、上部にクレバスがあったが左の雪面に出て直上した。頂上に着くとそれまで見えなかった鋸山が遠望できた。お昼に近づき雪が腐ってきた。南峰の下りは長くところどころクライムダウンを交えながらゆっくりと下っていく。しばらくはなだらかな尾根をひたすらラッセルしていく。鋸山には本峰の手前にいくつかのピークがあり、その前衛峰の手前で5m懸垂した。前衛峰そのものは顕著な雪陵を尾根通しにいけばよい。そのピークに立つと反対側には顕著なローソク岩がキタゴヨウマツの間から覗かれ、ここで尾根が途切れていることがわかる。一気に下まではロープが一本しかなかったので届かないと考え、このマツを支点に15m位下に見える大きなマツを目指して懸垂した。さらにそこから空中で20m懸垂した。左手にフィックスロープが見えここが夏道であることを教えてくれた。なかなか渋い。ここからさらに15m程雪面を懸垂して、岩壁の株に出た。回り込むと左手にローソク岩、その下に大きなはしごがかかっていて夏道がこのはしごを使って尾根に出てさらに尾根の左側にフィックスが続いていることがわかった。だが今回は行く気が起こらなかった。そのまま右側のルンゼから尾根に上がることを試みた。疲れたので和田にここでテントを張ろうと主張してみたが、岩壁の下で落石が怖いので止めようと却下されてしまった。再び腐った雪を登っていく。ルンゼから尾根へ更に尾根にせり上がる岩壁に沿ってトラバースしていく。足にへばりつく雪塊が足かせのようだ。しばらくして尾根に続く雪面から尾根上へ這い上がった。そこから1P程度でナイフリッジが待っていた。もうさすがに疲れたので尾根の雪を切り崩して幕場とした。
3月26日(晴)
幕場6:14〜鋸山本峰7:30〜雨飾山稜線9:00〜雨飾山14:00〜分岐15:30〜1151mピーク17:00
昨日思った程ナイフリッジの通過は困難ではなかった。本峰からの景色は絶景でぐるりを見回すことができる。ここからの下降も危険個所には鎖が張ってありそれ程緊張しない。雨飾山までは北から伸びる尾根にまず取り付かなければならない。再びひたすらブナの林の中をラッセル。稜線への最後がやや急になっている。もう危険個所は無いかと思ったがまだまだ気は許せなかった。3つの小ピークを越える。最後のピークはやや大きく左側からトラバースしていく。その後緩やかなピークが3つ続き最後に左側が大きな岩壁となった1894mピークが立ちはだかる。ここは右側から巻いていける。スキーで滑れそうな快適な斜面が右側に落ち込んでいる。このピークを越え緩やかな斜面をひたすら登っていく。さすがにアイゼン、ワカンは必要ない。それを超えていくといきなり平坦な場所に出る。ダケカンバがまばらに這っていたがその他に生き物の気配は無い。誰もいないかと思ったが、雨飾山の南東尾根を登ってくるパーティが遥か向こうから挨拶をしてきた。頂上直下に着くとまた急雪壁が待っていた。再びアイゼンをつける。頂上からこれまでの縦走してきた山山や後立山の山並みが遠望できた。頂上から北西に伸びる尾根を下降していくのだが、特に問題となる箇所は無い。右側の雪庇に気をつけながら下降していく。今日中に降りてしまおうかとも考えたが、明日の悪天の中でもその後迷うことはないであろうと考えられる1151mピークまで来て幕場とした。
3月27日(雨)
幕場6:20〜舗装道路8:30〜山口9:14〜ヒスイの湯9:45
尾根をそのまま下降して行こうと考えていたが、標高が下がるにつれて雪が無くなり歩きにくくなってきたので右側の谷に入ることにした。シリセードを交えながら雨の中を歩いていくと雪に埋まった林道へすぐに出ることができた。雪に埋まった林道は何故か分かりにくく、しばらくは沢に沿って下降していき、途中杉林や水田跡などを迂回しながら、歩いていくと一軒の茅葺屋根の廃屋が現れた。ここを過ぎるとはっきりとした舗装の林道が続いていく。雨の中ではあったが道端にはフキノトウが群生していて里に下りてきたことと春を実感させた。梶山を過ぎバス停のある山口まではほんの少しである。
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